新たな世界経済体制への“四大国協定”

2009年6月23日

four powersこの分節は、2007年9月に行われた討論、「破綻した現経済体制を改めるために必要な改革」をもとに執筆された政治経済学者リンドン・H・ラルーシュJr.氏の論文、「我が国の行方:幻影の終焉(The State of Our Union: The End of Our Delusion!)」から引用され、米国民主党のためのプラットフォーム(Prolegomena)として、LaRouche Political Action Committee(LPAC)から出版されました。

1. 緊急経済処置・・・世界の大国が、早急に手を差し伸べ、協力しあうことを前提とすれば、根本的な処方手段は存在すると言える。

それらの国々は、現経済破綻を促した“癌細胞”とも言える国際通貨機関(IMF)に替わる、根底から再構成されたIMF、すなわちフランクリン・D・ローズベルト大統領が思い描いた、“固定相場制”に基づく世界経済体制を創設し、諸国と長期的協定を結ぶことで、新たな世界経済基盤を築かなければならない。

2. ここで必要となるのが、新しい世界規模の“クレジット・システム”、すなわち長期的投資システムであり、現在の資本主義形態からの脱却である。この新たなシステムは、資本のみを富とし未だに普及し続ける純粋市場主義とは無縁の、独立国家間でむすばれる貿易協定などを通した長期的発展を意図したものである。

ラルーシュ:「私の提案は、今日の大国である米国、ロシア、中国、そしてインドが中核となり、他の諸国を早急に集うことで世界的な破産申請と再構成を図り、それと同時に破綻しきった銀行機関、特に米国のFederal Reserve Board (FRB)を基盤とした現システムの破産手続きを速やかに果たすことで、独立国家による世界経済を再始動させることである。」

3. この改革を行うにあたり、国民の物理的、社会的、または経済的安定を維持するため、まず継続的雇用の機会を作ることに努め、1971年以前に顕著な伝統的プロフェッショナル、すなわち技術および知識を持った“職人たち”を生産的物理経済の分野で雇用することが主眼となる。

4. 投機、およびそれに係わる財界の債務は、本質的には博打とかわらず、故に全般を無効にするか、物理的に有益な結果をもたらすよう債務自身の再構成を図る。

5. 新たな国際機関を創設することで、現在、絶望的な状況に陥っている資本システムを排除し、フランクリン・ローズベルト大統領のブレットン・ウッズ制度が示すように、古来アメリカの原則である“独立国家が政府を通し貨幣を支配する制度”、つまり“アメリカン・システム”を多国と共に普及し、いわゆるヨーロッパ式“中央銀行制”または“世界銀行”に見られる独立国家機関を通さないシステムに、終止符を打つ。アメリカン・システムは保護政策を起源としており、古来“平等貿易(Fair Trade)”と呼ばれ、“自由貿易(Free Trade)”とは相反する政策として深く理解されていた。

6. 独立国家による正統的クレジット・システムを通した投資は、多様で有益な目的に適うものであるが、原則的にこの種の投資の“半分以上”は、長期的物理経済の基盤となるインフラ整備に必要となる“物理資本”を普及することに集中される。

7. このインフラ整備と他の経済要素との相対的比率は、科学とテクノロジーを発展させ続けることを大前提とすれば、達成し、継続し得る。現時点での復興には歳月がかかることが予想され、初めの10年から20年にかけては、長期の再融資を予定する必要がある。

8. 初期の段階では、民営化された企業投資や銀行融資には限りがあり、またほとんどの私的資本は現経済危機において姿を消しつつあるか、もしくは財政の根本的再構成により大半は蒸発するものと思われる。故に、連邦クレジット、いわゆる2パーセント以下の低利子で長期的な投資を基本的インフラ整備に回し、それを総体的な資本再構成の源とする。この種の投資は、民営企業をも活性化させるものであり、国営でインフラ基盤を潤すことで、波及的に市場の発展を促すことになる。

9. この過程で必要となるのが、独立国家間で厳重に規制された固定相場制の再始動である。これは主に同盟国との経済協定によるもので、クレジットや関税などの規約を取り入れたものとなる。例としては、2005年に私が掲げた法案がある。これは連邦政府が、活動停止状態になっている車業界の潜在的生産性を再利用することで、有能な人材を生かし、残された機材やテクノロジーを駆使し、1939年から1945年にかけてフランクリン・ローズベルト大統領が行った戦時の大量生産と人員雇用などにみられる復興事業を、国または州、郡の単位で行うことを趣旨としたものである。この改革によって、市場を物理的生産性に富んだものに育て、長期性に満ちたものにする。現在の所、米議会は2006年よりこの潜在性を浪費し続けているが、この失われつつある能力を再利用することで、この世界経済危機を脱することは未だ可能なのである。

A Four-Power Agreement for A New Monetary System