新政権政策要網:「アメリカ経済復興への道筋」

ラルーシュ政治活動委員会

Image of Lyn at energy lab今日、アメリカ合衆国は前代未聞の非常事態に直面しています。未曾有の経済システム崩壊危機とそれに伴う社会崩壊は、まさにこの共和国の存続自体を脅かすものとなっています。ウォール街やロンドンの投機家たちは、商業銀行を人質に取り我が国の統率権を剥奪し、金融界へのさらなる財政援助政策を強要しています。また、州自治体は破綻に追い込まれ、国民の貧困化は日に日に悪化する一方、金融界のトップと呼ばれるような機関による犯罪行為は、オバマ政権の保護下に置かれ容認され続けてきました。それは、麻薬取引や他の違法行為からの収益を洗浄し続けているHSBC銀行に対し刑事責任が一切問われていないという事実からも明らかでしょう。例外的かつ極少数の卓越した統率者たちを除けば、大半のアメリカ国民はすでに絶望の淵に立たされており、国家存続に対する政治的意思すら希薄になってきているのが現状です。

しかし、我々にとっての「決断の時」は刻々と迫っています。ギリシャや他のヨーロッパ諸国のような苦境に自らを陥れるのか、それとも、過去50年間の腐敗体質を改め、フランクリン・ルーズベルト大統領やジョン・F・ケネディー大統領に代表されるような生産性に重点を置く経済政策を行い、博愛精神に基づくこの国の建国理念に相応しい政策方針を打ち立てていくのか、早期の決断が迫られています。

現在、大西洋沿岸諸国の経済はメルトダウン状態にあると言っても過言ではないでしょう。「ヨーロッパ経済は危機を脱した」、「アメリカ経済は不安定ながら緩やかな成長傾向にある」などと、ヨーロッパやアメリカの銀行家・政治家たちは皆口をそろえて言いますが、実際のところは全くその正反対なのです。例えば、南ヨーロッパではIMF政策の下、経済・社会システムの螺旋降下とも言える状況が続いています。特にギリシャでは、経済的大虐殺と言っても過言ではないような政策が進められており、そのような傾向がポルトガルやスペインでも顕著になってきています。また、緊縮財政と過激なインフレーション政策、つまりギリシャと同様の政策がここアメリカでも実施されてきました。しかし、IMFにおける経済政策が完全な失敗であるという事実は、IMFのチーフエコノミストであるオリヴィエ・ブランチャード自身、既に容認・公言しているのです。

昨今までよく話題になっていた「財政の崖 (fiscal cliff)」というのは見せ掛けだけであり、ウォール街の銀行家たち、FRBのバーナンキ議長、オバマ大統領、そしてジャック・ルー財務長官などが実際に意図するところは、徹底的緊縮財政とハイパー・インフレーション政策を行うことにより、すでに困窮に陥っているアメリカ経済の息の根を完全に止める事にあるのです。特に顕著な例としては、バーナンキ議長による「終わりなき」救済融資です。「ウォール街救済」という名の下、バーナンキ議長は毎月850億ドル相当の不動産担保証券(MBS)を実質破綻状態にあるウォール街の銀行から買い取っているのです。しかし、この多額の融資が雇用創出などの実質経済向上に繋がるのかというと、全くそうではありません。これらの巨額の借金は、FRBにただ貯めこまれているだけであり、さらなる金融崩壊を招くであろう誘発要因として、刻々とその肥大化を続ける一方なのです。同様の政策がヨーロッパでも実施されており、このような世界的規模の救済融資は、1923年ドイツを襲ったハイパー・インフレーションの如き渦中に、全世界を巻き込みかねない脅威となっています。また、徹底的コスト削減と相まって、この救済融資政策はアメリカ経済を荒廃させ続けており、現経済システムはもはや延命さえ不可能だと認めざる終えません。つまり、どれだけ経済緩和政策を行っても、既に手遅れであるということです。

これらの事実を踏まえると、現在この国を救う政策は一つしかありません。それは、グラス・スティーガル法、国家信用、そしてNAWAPA・XXIなど革新的ハイテク産業における雇用創出という三つの相互依存する政策から構成されます。以下、これらの政策について順を追って説明していきますが、これらの政策は非常に相互依存性が高く、個々の政策自体では機能しないという点において、三つではなく一つの包括的政策として認識することが重要です。

まず第一にフランクリン・ルーズベルト大統領下で執行されたグラス・スティーガル法を再生し、商業銀行におけるギャンブル的取引を非合法化します。このグラス・スティーガル法に基づき現在の金融システムを従来の商業銀行の枠組みへと戻すことにより、主に投資銀行により生み出された何兆ドルものギャンブルによる債務を政府の資産台帳から消し去ることができます。これにより不当な債務に対する財政援助を行う義務から開放された政府は、従来の商業銀行とそこに貯蓄されている国民の財産を保護することができます。つまり、博奕打ちの債務に対する責任をアメリカ政府は一切負わないということを明確にすることで、政府の台帳に長年重く圧し掛かってきた不当な債務を全て抹消することができるのです。

このグラス・スティーガル法への支持は日に日に拡大しています。例えば、サンディー・ワイルに代表されるようなロンドン金融界の重鎮たちが次々とその立場を一変させグラス・スティーガル法への支持を表明しており、その一変ぶりは使徒パウロの突然の改宗にも例えられたほどです。アメリカ国会ではマーシー・カプター下院議員(民主党・オハイオ州)とウォルター・ジョーンズ下院議員(共和党・ノースキャロライナ州)を提案者とする、グラス・スティーガル法再生のための下院議決案HR129が既に提出されています。また、50州中17州の州議会においてHR129を支持する決議案が提出されており、内4州ではすでに賛成多数で可決されています。また、上院においても新たに当選した議員の幾人かは、既にグラス・スティーガル法再生への支持を明らかにしています。

(グラス・スティーガル法に対する支持をまとめた記事)
http://larouchepac.com/hr129support

しかし、グラス・スティーガル法は経済の崩壊を防ぐための政策であり、経済再建には繋がりません。何兆ドルという膨大な額の架空資産を帳消しにした時、国庫に残る予算が皆無に近いものとなるのは明白であるように、グラス・スティーガル法を執行したところで、アメリカ経済が破綻状態であるという事実は何ら変わらないのです。ですから、この苦境を打破するための政策として国立銀行制度への回帰が必要となります。この国立銀行制度は、アメリカ独立戦争後にアレキサンダー・ハミルトンが発案したものであり、この制度の下、戦後に破綻状態にあった個々の州の責務は、連邦政府特有の権限で国立銀行の管理下に置かれ、新たな長期国家信用・クレジットとして発行され、国家経済に還元されたのです。

現在、このハミルトンが発案した国立銀行制度への回帰なしに、この国の未来を築くことは不可能でしょう。なぜならば、金融システムのカジノ化によって失われた生産性を取り戻すために必要不可欠である莫大なクレジットを提供する権限を、国民が所有者となる国立銀行以外に委ねることはできないからです。1933年、フランクリン・ルーズベルト大統領がそうしたように、まず応急処置として地方政府への緊急救済援助を行うことにより実質経済のさらなる降下を食い止めます。しかし、救済援助だけでは不十分です。ハミルトンの例にもみられるように、特定の生産的雇用に対しては、連邦政府直属の国立銀行がクレジットを発行するなど、50年先を視野に入れた経済目標を築くことが重要です。このようなクレジット政策なしでのアメリカ再建はありえないのです。

(アメリカ国立銀行法案)
http://larouchepac.com/restorethebank

しかし、ここで重要なのは、国立銀行からのクレジットによりハイテク技術分野における雇用を産み出さなければ、クレジット自体の価値がなくなってしまうことです。国民、そして国自体の生産性を向上させるような雇用がない場合、クレジットを発行しても結局インフレに終わってしまいます。何万何千人ものアメリカ国民が失業状態にあり、また雇用はあっても技術がない労働層が拡大している今日、ただ雇用創出を目的とする<質より量>の政策では全体的な生産力向上には繋がりません。ですから、ハイテク技術を要する生産的産業開発へと政策を変換し、国家戦略として新たなパラダイムを築くことが必要です。このような革新的政策の一つとしてまず上げられるのが、アラスカからの水資源をアメリカ西海岸へと配分するためのNAWAPA(North American Water And Power Alliance)という大規模なインフラ計画です。ケネディー政権下で推奨されていたこの計画を実施することで、干ばつや他の天災による被害を軽減させるだけでなく、建設初期段階において600万もの雇用を創出することができます。その内訳は、NAWAPA建設のための雇用が400万人、そしてその建設に必要なハイテク物資生産における雇用が200万人となっており、その多くはルーズベルト時代にArsenal of Democracy(デモクラシーの兵器庫)と呼ばれたデトロイトからピッツバーグにおける工業地帯から創出されるでしょう。

何千万人という規模の失業者が存在している現在、600万人の雇用は、一見、焼け石に水のようにも思えるでしょうが、技術や経験のある次世代労働者の育成という点においては、まさにこの国の要を築き得る理想的事業だといえるでしょう。また、国が率先して統括的に経済をまとめあげ、化学技術開発など、未来を築くための指針を打ち出していく献身的行政もまた国の原動力となっていくでしょう。ここ半世紀続く自虐行為とも言える実質経済縮小の時代に終わりを告げ、生産的経済のパラダイムを生み出すその第一歩、それがNAWAPA計画なのです。また、このような政策は国民の心理自体にも変化をもたらす切っ掛けとなる事は間違いないでしょう。「未来のない世代」と呼ばれる若者の多くは、職もなく、自暴自棄に陥り、麻薬に依存したり暴力へと走る一方ですが、実際に未来を築くためのその第一歩と呼べるような公共事業に自らの労力を費し貢献することで、本当の意味での「未来への希望」が若者たちの心に芽生えるのではないでしょうか。

(NAWAPA)
http://larouchepac.com/infrastructure

また、政治がこのような見地から行われるのであれば、その自然な流れとして月・火星開発を目標とする宇宙開発事行を基軸とした文化が生まれ、アメリカ、ロシア、中国、アジア諸国間での共同開発が隔たりなく行われる日も、そう遠くはないでしょう。そして、このよう協調体制の下にあってこそ、わが国は全人類のためにその本来の統率力を発揮することができるはずです。グラス・スティーガル法、国立銀行、そしてNAWAPA政策、これらは一貫した一つの政策であり、この政策を欠いてアメリカ経済復興はありえません。また、この政策の一つを単独で起用した場合も同様です。何故ならば、個々の政策の成功は政策全体として機能するか否かに掛かってるからです。

しかし、オバマ氏が大統領である限り、この政策を実施することは不可能です。昨年10月、ローリング・ストーン紙のインタビューにおいて既にオバマ氏はグラス・スティーガル法に断固反対する姿勢を明らかにしており、実際にオバマ政権は様々な手段を駆使して上記のような政策を阻止しようとしているのです。イギリスやここアメリカ本土に於いても新たな金融制度を求める動きは強くなってきていますが、オバマ氏や彼の指導者的存在であるトニー・ブレアやデービッド・キャメロン前英国首相などは、そのような政策を拒絶するに止まらず、現体制を維持するためには、むしろ戦争により世界を更なる混沌に陥れるという強攻策に出る姿勢をも露にしています。これは人道的介入を名目に行われたリビアにおける残忍な政権交代政策が即座に次のターゲットであるシリアへと推移し、その破壊的過程はブレア氏やオバマ氏の政策により既に中東・北アフリカ全域へと拡大している事からも明確です。現在、いかなる軍事介入であれ、その影響は全世界規模のものとなるのは確実であり、最大の核兵器保有国であるアメリカとロシア間での核戦争をも招きかねません。故に、今日我々に残された時間は極めて短いものと認識し、一刻も早くオバマ大統領を弾劾裁判に掛け、新政権の下で我が国における経済復興プログラムを実施しなければならないのです。