
アジア・ヨーロッパ・アフリカを結ぶ中東は、歴史的に地政学的分割統治のターゲットになってきました。パレスティナ問題は、まさに地政学的戦争や紛争の産物です。その解決に必要なのは、単なる政治的合意だけでなく、発展を通しての平和の実現です。米経済学者リンドン・ラルーシュが1990年に提案したオアシス計画は、新たな運河や海水淡水化プラント網の建設を通じてこの地域の開発における最大の障壁である水不足に対処すると同時に、原子力発電や鉄道網などのインフラを整備することで、パレスチナだけでなくこの地域一帯を文化的・経済的クロスロードとして活性化させることを目的としています。