共同発展 ー 朝鮮半島平和への唯一の道

マイク・ビリントン 2017年11月08日 1990年代や2005年頃そうであったように、今日再認識されるべき事実がある: 朝鮮半島における戦争、さらには世界核戦争の勃発という危機から世界を救う唯一の手段は、朝鮮半島における大規模なインフラ整備への北朝鮮の参加を促すことである。 1991年のソビエト連邦崩壊を受け、リンドン・ラルーシュとヘルガ・ラルーシュは世界戦争回避を目的とした西洋と東洋の共同経済開発計画として、釜山からロッテルダムを繋ぐ新・シルクロード政策の実施を訴えた。世界平和とその発展へのこの新たな構想の最大の問題点となったのは、長引く北朝鮮の孤立化だ。1950年代の朝鮮戦争後、アメリカと北朝鮮の間で平和条約が結ばれなかったため、今日まで二国間の衝突は頻繁に起きてきた。しかしながら、北朝鮮における鉄道など経済回廊の構築は、新・シルクロード政策の一環としてだけでなく、北朝鮮の侵略戦争に対する懸念を払拭し、国家間の信頼を築く上でも欠かせない政策だと当時ラルーシュは主張した。 今日、北朝鮮とアメリカ間に存在する克服不可能とも思える対立構造が、世界を戦争の脅威にさらしているのは明らかである。北朝鮮が核兵器計画や他のミサイル計画をすべて放棄しなければ交渉の余地はないという、極めて帝国主義的な姿勢をとってきたジョージ・ブッシュ、バラク・オバマ大統領政権。そして、新たにドナルド・トランプ大統領は北朝鮮の金正恩とこぞって失言の投合をし、好戦的な態度を示している。9月22日、国連総会の際、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相はこの一連のやりとりを「幼稚園児のけんか」表現した上で、「ほてった頭を冷やして、対話のために挑発的な態度は避けるよう理解してもらわなければいけない」と述べ、両者に冷静な対応を求めた。 しかしその一方で、ラブロフ外相はトランプ大統領の国連演説を「特筆すべき」と高く評価している。「長年アメリカの政治家からこのような発言が聞かれることはなかったという点において、(トランプ大統領の)声明はとても歓迎すべきものだと思います。」ラブロフ外傷が特に注目したのは、「我々の文化を他国に強要しない」、また「私がアメリカ・ファーストであるように、あなた方の国の統率者も常にその国をまず第一に考えるべきであり、そうあり続けるべきである」という国家主権を全面的に擁護する演説内容だ。 ヘルガ・ゼップ・ラルーシュは、このような演説内容と後半部分に見られた非常に好戦的な内容との明らかな矛盾を指摘し、トランプ大統領の国連演説を「二演説物語」と表現している。(チャールズ・ディケンズの長編小説『二都物語』(A Tale of Two Cities)に因む) 現在、戦争回避は決して不可能ではないし、それどころか戦争が起こる可能性自体少ないと言っていいだろう。トランプ政権の閣僚である元海軍将官は、戦争は韓国とその地域全体だけでなく、世界規模の大惨事になることを警告しており、またトランプ大統領自身もアメリカ軍事攻撃を韓国の了解なしに行わないを文在寅(ムン・ジェイン)大統領に約束している。核戦争であろうとなかろうと、いかなる戦争も韓国に多大なダメージを与えるのは明らかであることから、文在寅(ムン・ジェイン)大統領はすでに戦争を断固回避する姿勢を強調している。また、アメリカのある専門家は、ここ20年そうであったように、アメリカは強力な核抑止力を保持しており、北朝鮮政権に自殺願望はないのだから、核保有国としての北朝鮮と共生することは可能であるとも指摘している。 しかし、朝鮮問題の一刻も早い平和的解決が望まれているのは確かだ。1995年ビル・クリントン政権下で締結された米朝枠組み合意(北朝鮮は兵器級プルトニウムの生産を停止し、その代わりに安全な原子力発電所をアメリカ側が建設し、IAEAの査察官を派遣。そして、それに並行して和平会議を進めるという合意)は、2001年に発足されたジョージ・ブッシュ新政権により撤回されてしまった。しかし、その一方的な政策打ち切り後も、韓国の金大中(キム・デジュン)政権は根気強く北朝鮮に対する太陽政策を推し進めていった。この政策は、中国とロシアによる協力だけでなく、リンドン・ラルーシュの重要な貢献により、2002年の非武装中立地帯(DMZ)の設定、そして韓国・北朝鮮間を繋ぐ鉄のシルクロード政策の再開へと進展した。そして、2003年には国際連合アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)が発行したレポートにおいて、アジアとヨーロッパを繋ぐ新・シルクロード政策の一環として韓国と北朝鮮を跨ぐ2つの鉄道ルート(中国行きとロシア行き)が大々的に取り上げられ、また、当時日本総理大臣であった小泉純一郎は平壌へ趣き金正日と協定を結び、この過程に対する日本の協力姿勢を示した。 しかし、このような流れに真っ向から反対したのがブッシュ・チェイニー率いるネオコン派だ。チェイニーと国務副長官ジョン・ボルトンは、「大量破壊兵器(WMB)拡散防止」の名のもとに北朝鮮籍船舶の検閲を行うという脅迫的な政策の実施を示唆した。 それに対し、中国は、ロシア、日本、韓国と共に核兵器問題の平和的解決のため、アメリカの六カ国協議への参加を促した。協議は2003年に開始され、2005年には北朝鮮の核開発計画の停止と国際原子力機関(IAEA)による査察の再開などを含む協定が結ばれた。だが、当時北朝鮮が計画していた衛生の打ち上げが協定の大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発停止事項に反しているという、表向きは核開発防止だが実質的には「科学技術的アパルトヘイト」とも言うべき不合理な主張により、この平和的発展への協定もブッシュ・チェイニー政権により葬られることになる。さらに追い打ちをかけるように、オバマ大統領は、北朝鮮が核開発を停止するまで対話の余地はないという理不尽極まりない強固姿勢(Strategic Patience(戦略的忍耐)政策)を取った。 ここで明確にしておきたいのは、ブッシュ大統領やオバマ大統領に代表されるようなアメリカの親英派帝国主義者たちは、むしろ北朝鮮の核兵器保有を望んでいるということだ。なぜなら、西洋と東洋の闘争を操ることでその覇権を維持してきた大英帝国主義者たちのターゲットは北朝鮮ではなく、ロシアと中国にあるからである。この事実は、北朝鮮がアメリカとその同盟国に対し多大な脅威であるという主張により正当化されてきた不合理な政策の数々を見れば明らかであろう。(オバマ大統領のアジア重視政策”Pivot to Asia”の下)米海軍が有する核戦力の実に60%が中国を包囲するかのように太平洋地域に配置され、同様に弾道弾迎撃ミサイル(ABM)システムや強力なレーダーシステム(THAAD)の配備が決定し、さらには米国戦略軍が韓国へと派遣された。ただ北朝鮮の抑制という目的のためだけに、これだけの軍事力が動員されるだろうか。明らかに、狙いは中国とロシアにある。 実のところ、解決策は目の前にある。第一に、トランプ大統領は既にテロリズム撲滅と経済発展分野における協力体制をロシアと中国と共に築いてゆく意向を示しており、その一環として北朝鮮の経済発展計画を推し進めて行くことは十分可能である。また、中国とロシアが提唱したダブル・フリーズ(北朝鮮側は核実験とミサイル発射を停止し、韓国と米国は地域での軍事演習を控えるという提案)は両サイドが互いの安全保障への理解を示すのに適した政策だと言える。レックス・ティラーソン国務長官はアメリカが今後、体制転換(Regime Change)政策、軍事的攻撃、または一方的な朝鮮統一などの政策を一切行わないことを明言しているだけでなく、交渉上優先的立場を得るためとはいえ極めて挑戦的なトランプ大統領の暴言はなにあれ、2国間の対話を再開させることは十分可能であり、極めて重要だと主張している。 今年9月にウラジオストクで開催された東方経済フォーラムにおいて、文在寅大統領との共同記者会見を行った際、プーチン大統領は次のように述べている。 「ロシアは、北朝鮮を含めた3カ国共同プロジェクトの実施を検討しています。例えば、ロシアから朝鮮半島を結ぶガスパイプラインの建設や、ロシア・韓国・北朝鮮における電力線や鉄道システムの統合などが考えられます。このような政策は地域への経済利益をもたらすだけでなく、朝鮮半島における安全と信頼を築く上でとても重要な役割を果たすでしょう。」 既に太陽政策再開への意向を示している文在寅大統領は、これに賛同した。 中国もアプローチは同じだ。そして、日本もロシアの極東開発に協力的な姿勢を見せており、朝鮮半島の平和的発展がそれに寄与するところは大きい。 「その意思さえあれば、私達は何百万人もの人々を貧困から救い、国民の夢実現のために貢献し、そして、今日はびこる暴力、憎悪、恐怖から次世代を担う子供たちを開放することもできるのです。」そう国連で述べた自身の意思を貫くのであれば、トランプ大統領が新・シルクロード政策の下中国とロシアとの協力体制を築き、その一環として朝鮮半島の平和的発展への政策を実施することで、この局面を乗り越えることは十分に可能である。

新政権政策要網:「アメリカ経済復興への道筋」

ラルーシュ政治活動委員会 今日、アメリカ合衆国は前代未聞の非常事態に直面しています。未曾有の経済システム崩壊危機とそれに伴う社会崩壊は、まさにこの共和国の存続自体を脅かすものとなっています。ウォール街やロンドンの投機家たちは、商業銀行を人質に取り我が国の統率権を剥奪し、金融界へのさらなる財政援助政策を強要しています。また、州自治体は破綻に追い込まれ、国民の貧困化は日に日に悪化する一方、金融界のトップと呼ばれるような機関による犯罪行為は、オバマ政権の保護下に置かれ容認され続けてきました。それは、麻薬取引や他の違法行為からの収益を洗浄し続けているHSBC銀行に対し刑事責任が一切問われていないという事実からも明らかでしょう。例外的かつ極少数の卓越した統率者たちを除けば、大半のアメリカ国民はすでに絶望の淵に立たされており、国家存続に対する政治的意思すら希薄になってきているのが現状です。

イスラム圏との共存と発展

2013年4月10日 現代イスラム研究センター(Center for Contemporary Islamic Studies in Japan / CCISJ)は4月9日、シラー研究所(Schiller Institute)のフセイン・アスカリ氏の記事「西南アジアのための革命的平和計画」をフェイスブックに掲載しました。 “A Revolutionary Peace Plan for Southwest Asia” (日本語版は後日掲載)

「オバマ危機」の現状

2011年11月21日 今日、大英帝国の勢力による第三次大戦にも至り兼ねない紛争をユーラシアにて触発する思惑が一時的とはいえ保留されたことで、大西洋岸の政治経済体制に更なる重荷がかかっており、これによりオバマ大統領の更迭あるいは弾劾の過程がおそらく促進されたと見ていいでしょう。

ラルーシュ氏:「ネロ」オバマはファシズムへ向かっている

オバマ大統領により行使されたリビアの長モアマール・カダフィの凄惨な暗殺に関するメッセージを受け、米政治家であり、また2009年4月時点でオバマ大統領の精神構造を暴君ネロ皇帝のそれと酷似することを的確に解析したリンドン・ラルーシュ氏は、既に明快となったオバマ大統領のファシズムへの一途を阻むべく、「戦時的」抵抗を要求しました。

東日本大震災は予報可能だったのか?

2011年4月3日 1万人以上の死者を出し1万6千人以上が未だ行方不明となっている3月11日のマグニチュード9.0の大地震は、銀河系内の未知の領域へ進行しつつある私たちの太陽系に鑑みると、アメリカ東海岸を含む所謂「環太平洋火山帯」等の地域における未来の行方に不穏な影を落としています。

6人の国会議員候補から:「自滅の文化」から脱出を!

うそ、偽り、虚偽!これが、地震と津波による危機に晒されている日本を報道している北大西洋地域に蔓延る情報機関の、唯一の真相だといえます。ウォール・ストリート・ジャーナルからニューヨーク・タイムズ、欧米大半の報道は、“反科学”および“世界人口削減”を意図する「大英帝国の遺産」を引き継いでいるというしかありません。これらのプロパガンダは、この度の地震により破損した福島原発が危険な放射性物質を発する可能性があるのを理由に、原子力発電がこの危機の“原因”であるかのように報道しています。これは全くの虚言以外の何者でもありません。

リンドン・ラルーシュ氏:「日本の勇気と健全な対応は称賛に値する」

「先ず言えるのは、日本の勇敢で冷静な姿勢、並びにこの不測の事態に対する優れた準備と対応は、称賛に値するということです。この規模の災害に対する予防処置を施すことはほぼ不可能であるにも拘らず、日本は冷静沈着な態度で臨み、世界各国への見本ともなるべき成果をあげています。

「ハミルトン式クレジット・システム」の差し迫った必要性について

リンドン・ラルーシュ、Jr. 2010年12月27日 「クレジット・システム」の概念はアメリカ合衆国に特有なものであり、それを大原則として保持し続ける米国憲法は、ロンドン支配下のボストンやウォール街を通して輸入された“経済”や“精神”に異常を起こす「ヨーロッパ特有の病原菌」に対する唯一の処方箋といえます。