Author: Asuka Burke

第三次世界大戦前のラストコールか、新たな平和パラダイムへの第一歩か

第62回 国際平和連合 オンライン会議 2024年、8月9日に行われた国際平和連合主催のオンライン会議における、ヘルガ・ツェップ=ラルーシュ(シラー学会創設者)と、ローレンス・ウィルカーソン大佐(元米国陸軍大佐、コリン・パウエル元国務長官首席補佐官)の演説です。他の出演者の方々は以下の通りです。毎週土曜日午前11時(東部標準時)に行われているこのオンライン会議に参加されたい方は、ぜひメールにてご連絡ください→ larouche.japan@gmail.com – デニス・クシニッチ、1997年から2013年までオハイオ州議会第10区選出下院議員を務め、2024年の下院議員選挙に無所属で立候補– ゲルション・バスキン博士、イスラエルの平和活動家・交渉人 – ジャック・ギルロイ、平和のための退役軍人– レイ・マクガバン、元CIAアナリスト、「正気のための退役軍人情報専門家(VIPS)」共同創設者– スティーブン・リーパー(平和文化村会長、広島平和文化センター元理事長、平和市長会議元米国下院議員)– スティーブン・スター教授(ミズーリ大学教授、核戦争専門家)– J.R.ヘフェルフィンガー、ディレクター「暴走する馬」「8:15広島」

新たな国際的安全保障と     発展の枠組み 十ヶ条

ヘルガ・ツェップ=ラルーシュ氏は、2022年11月22日に行なわれたシラー学会主催の国際会議において、新たな国際的安全保障と開発の枠組み(New International Security and Development Architecture)を構築するための10の原則を提示した。この新たなパラダイムを形成するためには、まず寡頭政治の概念を永久に排除し、創造的な種としての人類の真の姿を実現できるような政治秩序を構築しなければならないとラルーシュ氏は述べた。そして、「人類の永続的な存続を保証する世界秩序を模索する中で、これらのアイディア(10ヶ条)が、人々の考えや議論の糧となることを望みます。」と付け加えた。 第一 新しい国際安全保障と開発のためのアーキテクチャーは、平和共存5原則と国連憲章に基づく、完全な主権国家によるパートナーシップでなければならない。 第二 絶対的な優先事項は、地球上のすべての国の貧困を削減することでなければならない。それは既存の科学技術が公益のために使われるのであれば容易な事だ。 第三 人々の寿命を最大限に延伸させるべく、地球上のすべての国に近代的な保健システムを構築すること。これこそが、現在および将来起こりうるパンデミックを克服し、予防する唯一の方法である。 第四 現在知られている限り、人類はこの宇宙において唯一創造的な種であり、新たな普遍的原理を無限に発見する可能性を秘めたその創造性こそが全ての富の源泉だと言える。そのため、新たな国際的安全保障と開発のための枠組みの主な目的のひとつは、生きているすべての人に普遍的教育を提供することでなければならない。フリードリヒ・シラーが論じたように、人間の真の本質はより美しい魂になることであり、その可能性を十分に開花させられる人こそが所謂天才なのである。 第五 国際金融システムを再編成し、上記の目的を達成するための生産的クレジットを迅速に供給する必要がある。その参考となるのは、フランクリン・D・ルーズベルトが意図したものの、彼の早すぎる死によって実施されることはなかったブレトン・ウッズ・システムと、リンドン・ラルーシュが提唱した「4つの法則」である。このような新しい信用システムの第一の目的は、特に南半球の国々や北半球の貧困層の生活水準を劇的に向上させることでなければならない。 第六 新しい経済秩序は、近代的な産業と農業のための環境づくりに重点を置かなければならない。その足掛かりとして、大陸規模のインフラ整備を進め、将来的にはすべての大陸を海底トンネルなどの交通網で結ぶ「World Land‐Bridge」を完成させる。 第七 世界をブロックに分割することをやめ、地政学の概念を排除することは、新しい国際的安全保障を築く前提条件と言える。すべての主権国家の安全が保障され、核兵器やその他の大量破壊兵器は廃絶されなければならない。ラルーシュ氏が提案し、レーガン大統領がソ連に提案したSDI政策のように、国際協力を通じて、核兵器を技術的に時代遅れにする手段を開発しなければならない。 第八 かつては、一つの文明が滅亡しても、距離の長さや移動に要する時間の関係から、他の文明がそれを知るのは何年も後になってからだった。しかし今、核兵器、パンデミック、インターネット、その他の世界的な影響により、全人類はひとつの船に乗っている状況に初めておかれているのだ。従って、人類存亡の危機に対する解決策は、多様性に基づく二次的あるいは部分的な取り決めではなく、より威力のある普遍的原理から見出されるべきであろう。そのためには、ニコラウス・クザーヌスのCoincidentia Oppositorum(反対の一致)のレベルでの思考が必要になる。 第九 意見の対立から生じる紛争は、往々にして帝国が下層民を支配する手段として用いられてきたのだが、この分割統治から人類を解放するためには経済的・社会的・政治的秩序を物理的宇宙の法則性と調和させる必要がある。ヨーロッパ哲学では、これは自然法則と一致するものとして論じられ、インド哲学では宇宙論として論じられてきた。宇宙科学、生物物理学、熱核融合科学などの現代科学は、この法則性についての人類の知識を絶え間なく増大させるだろう。異なる文化圏における古典芸術の偉大な作品にも、同様の整合性を見出すことができる。 第十 人間は基本的に善であり、その心の創造性と魂の美しさを無限に完成させることができる宇宙で最も進んだ地質学的な力だとする考え方は、新たなパラダイムの核心だと言える。これは心の法則性と物理的な宇宙の法則性が調和、共鳴していることを示唆するだけではなく、すべての悪は発展の欠如の結果であり、よって克服することができることを意味する。グローバル・サウスの大半が携わり、新しい世界経済秩序が形成されつつある。欧州諸国と米国は、この取り組みに対抗するのではなく、発展途上国と手を取り合い、人類発展の次のエポックを、最も高貴な創造性に満ちたルネサンスへと導くために協力しなければならない!今こそ人類の進化における次の段階、すなわち新たなエポックを形成するために協力する、世界市民の国際的な運動を創り出そう!すべての国の世界市民よ、団結せよ! ご意見・ご質問等はこちらへ→ larouche.japan@gmail.com